社会保険労務士法人山口事務所
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なぜうちの会社には人材が定着しないのか?と悩んでいる会社が
「なぜうちの会社には人材が定着しない?」のページの「原因1採用のミスマッチ」についての改善案をご紹介します。
採用のミスマッチとは、応募者と会社のニーズが釣り合わない、一致しないことです。
採用のミスマッチは説明不足、思い違い、誤解等により、間違った就職・採用をしてしまうことで起こります。
言うまでもなく早期退職の原因となります。
例えば、、、
会社が採用するときに期待していた能力が、実際仕事をさせてみるとなかった
採用後すぐに退職してしまう原因の多くは採用のミスマッチです。
土木建築機械等の溶接修理を行っている会社のお話です。
この会社では社長さん自らハローワークに求人を出していました。
求人を出しても、なかなか応募がなく困っていたところ、やっと一人の応募者が来ました。
応募者は溶接の経験者だったため、社長さんは喜んで、すぐに採用しました。
ところが入社1ヵ月でその社員さんは辞めてしまったのです。
相談に来られた社長さんに話を聞いてみると、その社員さんが辞めた原因は高所恐怖症のためということでした。
この会社は土木建築機械(ダンプやトラック等)の溶接修理を行っている会社ですが、その社員さんはダンプやトラック等に登っての作業ができなかったのです。
求人には、次のように書かれていました。(実際とは少し変えています)
仕事の内容 | ○○、土木建築機械等の溶接修理(○○○、○○○、ダンプ、トラック、機械の溶接)溶接経験者優遇 |
社長さんは「土木建築機械の溶接修理と書いているのだから、高いところで作業すると分かったはずだ。」とご立腹でした。
しかし、辞めた社員さんは、求人票を見ても高い場所で作業することが想像できなかったようです。
単に溶接修理の仕事と思って応募したのでしょう。
この会社のようなミスマッチは、本来、求人票や面接で作業方法や内容を伝えることで防げたはずです。
皆さんの会社に、採用のミスマッチが原因と思われる退職者があったのであれば、この後の改善案を参考にしてください。
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社員が定着しない原因が“採用のミスマッチ”の場合、求人や選考方法を見直し、ミスマッチの原因を排除しましょう。
求人で大切なのは労働条件だけではありません。
職場の様子、仕事の内容、社風、会社の方針などをできるだけ応募者に伝えることが大切です。
会社のことをきちんと伝えることで、会社に合った応募者を増やし採用のミスマッチを防ぐことが出来ます。
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ハローワークの求人票や一般の求人広告は、記入できる文字数が決まっているので限られた文字数で表現しなければなりません。
とはいっても、文字数いっぱい書いている会社はほとんどありません。
弊所にご相談にこられる会社さんでも、1、2行程度というところがけっこうあります。
まだまだ工夫の余地があるものばかりです。
これはハローワークの求人票に実際よくあるのですが、
仕事の内容 |
一般事務(パソコン入力、電話、来客応対など)
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どうでしょう?
業種によっては多少、想像もできるでしょうが・・・。
これでは、具体的な仕事がよくわかりません。
パソコン入力といっても数字を入力するだけなのか...
ワードは使えるけど、エクセルはちょっと・・・とか、パソコン操作に不安がある場合には応募をしないかもしれません。
反対に、特定のソフトの入力作業しかしたことがない人も、自分はパソコンを使えると応募してくるかもしれません。
できるだけ、仕事の内容は具体的な方がよいでしょう。
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先ほどの求人をパソコン入力作業はそこそこでよい。
営業社員の補助や電話対応等のお客様サービスを重視。
という求人に改善してみましょう。
仕事の内容 |
一般事務(パソコン入力、電話、来客応対など)
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仕事の内容 | 一般事務(接客、営業補助業務あり) 伝票整理、受注管理ソフトの入力作業、見積書、請求書作成・発送、ワードを使った案内文書(ひな型あり)の作成。 定型文書作成の経験があれば、出来る程度。
営業補助業務(電話、メールでの商品説明、問合わせ・注文対応、来客応対が多い。電話営業なし。)その他商品発送業務など。
商品知識やソフトの使い方等は、指導担当者が丁寧に指導します。 |
どうでしょう?
応募者の立場になってみると、仕事の内容があらかじめ分かっている方が安心です。
きちんと指導してもらえるのだと思えば安心して応募もできるのではないでしょうか。
次に、パソコン操作能力や経験を重視。
という求人に改善してみましょう。
仕事の内容 |
一般事務(パソコン入力、電話、来客応対など)
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仕事の内容 | 一般事務 :伝票整理、受注管理ソフト入力、当社システムで見積書、請求書等の作成・発送。 文書(案内・お願い等)、提案書、企画書等の作成・編集。 必要なパソコンスキル:ワード、エクセルは文書や表、グラフの編集・作成、書式や罫線の変更、オートシェイプの編集、簡単な計算や関数の入力ができる程度。 その他電話応対、郵便物の発送・収受、来客案内。 |
どうでしょう?
これなら、パソコン操作初心者は応募してこないのではないでしょうか。
初心者でも教育するから大丈夫ということであれば「初心者でも丁寧に指導します。」という一言を添えるとよいでしょう。
応募者にとって、求人の内容が給料や労働時間などの条件だけで、他は何も分からないというのは不安です。
職場の様子、仕事の内容、社風、会社の方針などがよく分かるほうが、自分が働いている姿をイメージしやすく、興味を持てます。
求人を工夫することで、多少他社より賃金や労働条件が劣っていても、皆さんの会社を選ぶ人が増えることも期待できますので一石二鳥です。
「求人を出しても応募がない」と困っている会社の、労働条件以外の部分(仕事内容や事業内容等)を改善しただけで応募が増えた事例は多くあります。
応募が少なくて困っている場合にも、求人を見直してみることをお勧めします。
ちなみに、ハローワークに求人票に記入できる文字数を聞いてみました。 仕事内容の欄は、1行27文字、11行ということでした。 ご紹介した前記の”改善後”は、ハローワークの仕事内容欄に十分入る文字数です。 「文字数が多いと見づらい」という場合や、もっともっと、たくさん伝えたいことがある場合でも大丈夫です。 ハローワークの求人票には、”求人条件特記事項”、”備考”の欄があります。 これらの欄が現在、空欄の場合には、ここも利用して会社のアピールをしてみてください。 |
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今はホームページをお持ちの会社さんも多いと思いますので、ホームページも求人に利用しましょう。
ハローワークや一般の求人を見て皆さんの会社に興味を持った場合には、会社のことをできるだけ知りたいと思います。
どんな仕事内容なのか、どんな会社、雰囲気なのか・・・。
そうしたときには会社のホームページや口コミ情報などを検索して情報を得ようとします。
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ホームページは文字数に制限がありませんのでいくらでも載せられます。
求人広告に載せきれなかった情報でアピールしましょう。
写真などもたくさん載せておけば、会社の雰囲気が伝わるので安心して応募できます。
皆さんが応募者だったら、大企業や有名な会社でない限り、様子のわからない会社より、ホームページ等で様子がわかる会社の方が安心できると思いませんか?
写真で様子が分かれば、具体的に働く様子が想像でき、会社にも興味がわくのではないでしょうか。
また、応募者に仕事や会社の社風がわかるので、明らかに会社に合わない人の応募が減り、会社に合う応募者に絞ることができます。
会社の情報を伝えて選考の無駄を省く |
応募者に仕事内容や会社の方針、雰囲気、採用基準等がしっかり伝われば、明らかに採用基準や社風と合わない人は応募して来ないので、採用選考の無駄が省けます。
求人には応募があればあるほど良いと思っている方もいらっしゃいます。
しかし、採用人数に対して応募がやたらに多いと選考が大変です。
採用選考の時間やコストも膨らみ、決して良いとは言えません。
公開できる情報はできるだけ公開して、優良な応募者を増やしましょう。
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中小企業では選考方法が面接だけというところも多くあります。
面接の時に履歴書・職務経歴書を持参という会社も少なくありません。
せっかく応募してくれたのだから、とりあえず会ってみようと応募者に片っ端から面接しているところもあります。
たしかに、書類で見るとイマイチでも、会ってみたら良かったということはあると思います。
でも、履歴書や職務経歴書を見ただけで明らかに採用基準に合わないこともあるでしょう。
それなのに片っ端から面接では、途中で疲れてしまいます。
そして、「もういいや。この人にしよう。」と採用を決めて失敗するのです。
片っ端から面接するのは、採用担当者の時間も無駄になりますが、応募者の時間も無駄にしてしまいます。
応募者は自分の時間を使ってわざわざ皆さんの会社まで交通費を使って来ているのです。
面接しなくても分かるようなことで不採用というのは、あまりに気の毒だと思いませんか?
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書類選考は面倒だし、応募者が減るのではないかと心配する方もいます。
確かに応募者にとって書き慣れない履歴書を書くのは面倒かもしれません。
しかし、たとえ1時間、2時間かかったとしても、この先何年も勤務するかもしれない会社です。
その1時間、2時間を惜しむ人に皆さんは働いてもらいたいでしょうか。
今どきハローワークで履歴書の書き方、職務経歴書の書き方を、手取り足取り丁寧に教えてくれます。
そんなに難しいことではありません。
皆さんの会社で働いてもらう場合でも、手間を惜しまず、真面目に働いてくれる人のほうが良いのではないでしょうか。
選考の手間を惜しまない |
【選考の流れ】
中小企業でも最低これくらいはしましょう。
採用に失敗して、せっかく採用した社員がすぐに辞めてしまう損失に比べれば、このくらいの手間暇どうってことないのではないでしょうか。
採用した人が入社して何ヶ月かで退職したら、その社員の人件費だけでなく、新入社員の教育・指導に費やした周りの社員の時間や人件費も無駄になります。
顧問先のA社では、採用を決める前に他の社員さん達も一緒に、居酒屋に飲みに行くそうです。
採用のミスマッチを防ぐためには、できるだけ長く話ができた方がよいのですが、長時間の面接は、応募者も採用担当者も疲れてしまいます。
お互いを知るために、この会社のように食事会をするのはとても良い方法だと思います。
他の社員さんとのやり取りを端から見ることで、採用面接のときとは違う一面も見えてくるでしょう。
応募者にとっても、入社してからの人間関係は大切です。他の社員さんとうまくやっていけそうか、採用前に判断してくれれば早期の退職を防ぐこともできます。
※応募者と二人きりだと、いろいろと誤解があってはいけないので、このA社のように他の社員さんも誘って行くことをおすすめします。
適正試験 |
適正試験はお金がかかるからちょっと・・・。と思う方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、失敗したときの損失に比べれば適性試験の料金なんて安いものです。
適正試験は性格テストや学力テストだけではありません。
パソコンを使えないと困るという場合には、パソコンが本当に使えるかどうかテストしてみてはどうでしょう?
見本の文書を見て同じものを作ってもらうとか、実際の作業を体験してもらうとかでも様子が分かるのではないでしょうか。
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皆さん、面接は会社が採用する人を選ぶ場と思っていませんか?
それも目的の一つですが、それだけではありません。
応募者は求人広告やホームページを見て、勝手にイメージを膨らませて応募していることがあります。
応募者と会社の間に誤解がないか、面接でお互いの思いのすり合わせをすることで、採用のミスマッチによる早期離職を防ぐことができます。
応募者と会社の思いのすり合わせ |
このページの最初のところでお話しした会社さん(顧問先の会社でこんなことがありました)も、応募者と会社の思いのすり合わせをしておけば、お互いにとって不幸な採用ミスを防ぐことが出来たでしょう。
面接では、応募者がどんな仕事、会社をイメージして応募してきたのかよく聞きだし、実際と違う場合にはきちんと誤解を解消しましょう。
次の4つくらいの項目で確認してみましょう。
応募者の思いやイメージのすり合わせをした後は、会社のこともきちんと伝えましょう。
マイナス面もきちんと伝える |
良いことも悪いことも、入社してすぐにわかること、退職の原因になりそうなことはありのままをきちんと伝えておきましょう。
例えば残業が多いとか、休日出勤があるとか、ストレスが多いとか。
いくら良いことばかりを言って、入社してもらっても、実際は違うということは入社すればすぐにわかります。
これは、退職の原因になるだけでなく、会社に不信感を持ち、揉める原因にもなります。
面接官は話しても半分まで |
面接での失敗として、面接官ばかりが話して応募者の話をあまり聞けなかったという経験はありませんか?
終わってみると履歴書等の内容以外、応募者のことがよく分からない。
そして、なんとなく採用、なんとなく不採用・・・
伝えたい思いや仕事に対する熱い気持ちがあるとは思いますが、せめて面接の時間の半分くらいは応募者に話してもらいましょう。
面接で応募者は採用してもらうために、普段より良い姿を見せようとしています。
中には面接の本を読んで、模範的な受け答えを練習して来ている人もいます。
簡単な受け答えでは、本当の姿は見えてきません。
本当の姿を見るためには応募者にリラックスしてもらわないといけません。
応募者がリラックスして話せるように配慮してあげてください。
「うん。うん。」と相槌を打ち、ニコニコと話を聞きましょう。
じっくり話を聞くために、時間は1時間以上取っておきましょう。
30分くらいでは、やっとリラックスしてきたころに面接が終わってしまいます。
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“どんな人を採用したい”か、“こんな人は絶対困る”というのは決めておきましょう。
“どんな人を採用したい”というのは割と決めているところが多いと思いますが、それは具体的に決まっていますか?
条件は具体的に決めておく |
具体的に決めておくと、面接や適性試験等で判断がしやすくなります。
会社が求める人(採用したい人)の条件
- 年齢、学歴
- 専門知識、経験、資格
- 基礎学力
- 価値観、意欲
- 人柄、性格
このくらいに区分して、考えてみてください。
採用しようと思う仕事に適した条件です。
この仕事をしてもらうのだったら、これくらいの知識はないと困るな。とか、
うちのお客さんは結構はっきり物を言う人が多いから、めげずに頑張る打たれ強い人か、気の強いしっかり者がいいな。とか。
求人広告には書けませんが、決めておくと採用担当者が選考で判断しやすくなります。
”こんな人は絶対に困る”人も具体的に決めておく |
職場によっていろいろだと思いますが、こんな人は困るという人が過去に一人や二人いたことがあると思います。
“こんな人は絶対に困る“という人のイメージを決めておけば、
「〇〇の部署の社員と合うかな?」
「お客様と話すときどうかな?」
と面接の時に具体的に判断しやすくなります。
会社が求めない人(こんな人は絶対困る)
- 会社の経営方針と合わない
- 他の社員と合わない
- お客様に嫌われる
- 無責任・・・・
顧問先の会社さんで採用して1~2年の社員さんのことで困って相談に来られるということが、わりとよくあります。
よくよくお話しを聞いてみると、皆さん
「面接の時に実はちょっと〇〇なところがあって気になったんだよね。」
と口を揃えて言うのです。
思い返してみると、面接の時にすでに、気になることやひっかかることがあったのです。
そうです。
問題を起こす傾向に気付いていながら採用してしまっていたのです。
面接の時は気になる程度だったのが、入社して数か月~1年くらい経つと「あの気になったことは、そういうことだったのか。」と確信するのです。
気になることやひっかかることがある場合には、それが何なのか、働いてもらううえで問題がないかしっかり確認しましょう。
人間関係に注意 何人かが集まって仕事をしている職場で、何より一番困るのが 「他の社員とうまくいかない」 「職場の人間関係を悪くする」 「お客さまとうまくいかない」 という人間関係の問題です。 仕事ができないのも、もちろん困りますが、人に好かれる人や周りの人とうまくやっていけるタイプはわりとどうにかなります。 周りの皆が世話を焼いて手伝い、助けて、時間はかかるけど何とか職場でやっていけるようになることが期待できます。 しかし「他の社員とうまくいかない」「揉め事ばかり起こす」「お客様に嫌われる」という人は、かなり難しいです。 職場の雰囲気が悪くなり、他の社員が働きにくい環境を作ってしまうことにもなります。
皆さんの会社に合うか、他の社員と合うか、お客様と合うかというのも採用をするときの重要な判断基準にしておくことをお勧めします。
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