社会保険労務士法人山口事務所
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労働基準監督署の

調査・是正勧告とは?

1.労働基準監督署の調査(臨検監督)とは

労働基準監督官が

労働者の保護を図ることを目的に、

”法違反が行われていないか”

”労働者が不当な扱いをされていないか”

”労働者の安全は守られているか”

等を調査(監督指導)するために

事業所に立ち入る(又は労基署への呼び出し)ことをいいます。

例えば、
  • 給料はきちんと支払われているか
  • サービス残業は行われていないか
  • 長時間労働で労働者が健康を害することはないか
  • 労災の危険はないか

等を調査します。

 

近年の監督指導件数

労働基準監督年報によると、平成28年に労働基準監督官が事業場に対して実施した監督指導(調査)の件数は169,623件でした。

毎年約17万件の事業場に対して監督指導が行われているようです。

 平成25年平成26年平成27年平成28年
全件数178,133166,449169,236169,623

定期監督

(災害時の監督を含む)

140,499129,881133,116134,617
申告監督23,40822,43022,31221,994
再監督14,22614,13813,80813,012

厚生労働省労働基準局労働基準監督年報をもとに当事務所作成

2.調査(臨検監督)の一般的な流れ

調査(臨検監督)は一般的に次のような流れで行われます。

調査は原則として予告なく行われることになっていますが、調査の種類・目的等によって異なっているようです。

当所が相談を受けた事例では、労働者からの申告による調査の場合には、突然予告なく立ち入り調査が行われることが多く、定期監督では事前に予告があり呼び出しであることが多いように思います。

調査の種類等については、次の”調査はいつ来る?調査の種類と調査項目”をご覧ください。

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3.調査はいつ来る?調査の種類と目的

年金事務所の調査等は何年かに1回、全ての事業場に対して行われることになっているようですが、労基署の調査については毎年監督官がやって来る会社もあれば、これまで一度もお目にかかったことがないという会社もあります。

 

どんなときにやって来るかは、目的によって違うのですが次の5種類があります

 

① 定期監督

経済動向や労働災害発生状況等から必要と認められる事業所に対し、年度の計画にしたがって法令全般について次のような調査を行います。

・労働条件、安全衛生対策など全般について書類での確認
(就業規則、労働者名簿、賃金台帳、各種労使協定書、労働条件通知書、健康診断結果報告等)

・就労現場の安全衛生措置のチェック

・事業主や管理監督者、労働者・派遣社員等からの聴き取り

調査を行う事業所に特別な法令違反や問題があるから行われるというものではありません。

きちんと法律を守っていてもこの調査は行われます。

どんな小さな会社でも当たることはありますが、違反の多い業種、例えば運送業、介護、医療機関等、調査を受けやすい会社というのもあります。

 

② 申告監督

労働者(または退職した従業員)から「残業代を払ってもらえない」「クビになった」「給料を払ってもらえない」等労働基準監督署に申告(労働者が直接労基署に駆け込み、会社の違反状況を告げること)があった場合に、その内容を調査するために行われます。

調査の際には、申告があった事項以外に法違反がないかも調査されます。

平成28年に労働基準監督署が受け付けた申告の件数は25,700件です。

平成28年中に行われた申告監督は21,994件で、前年からの繰り越し分も含めた29,773件のうち73.9%にあたります。

 

③ 再監督

定期監督や申告監督で是正勧告などを受けた事業所を対象に、その後違反が是正されたかどうかを確認するために行われます。

平成28年に行われた再監督は定期監督、申告監督等により法違反があった事業場の12.3%にあたる13,012件でした。

 

④ 災害時監督

重大な労働災害が発生した場合に、原因の究明や再発防止の指導を行うための調査です。

 

⑤ 司法警察監督

是正勧告を受けた事業主がその是正勧告に従わない場合等に、司法警察官の権限により捜査を行います。

逮捕や送検手続きが取られることもあります。

 

調査の方法は「立ち入り」と「呼び出し」があり、

「立ち入り」は、文字どおり会社に立ち入って調査が行われます。

突然、予告なくやって来ることもあります。

調査の方法はこの「立ち入り」が原則です。

 

「呼び出し」では労基署に呼び出されて、必要な書類を持参して調査を受けます。

事前に郵便等で日時と持参物が通知されます。

 

どちらの方法で行われるかは、調査の目的等によって異なるようですが、

当所が相談を受けた事例では、

申告による調査の場合には突然予告なく立ち入り調査が行われることが多く、

定期監督では事前に予告があり呼び出しであることが多いように思います。

 

<呼び出し調査の場合に労働基準監督署から送られてくる文書例 >

賃金・労働時間等の実態調査の実施について

調査票

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『過重労働解消キャンペーン』

毎年11月は「過重労働解消キャンペーン」が行われています。

長時間労働削減に向けた取り組みに関する周知・啓発、過重労働が疑われる事業場等への重点監督(労働基準監督署の調査)、フリーダイヤルによる全国一斉の「過重労働解消相談ダイヤル」による電話相談等を行います。

「過重労働解消相談ダイヤル」以外にも平日の夜間や土・日に電話で相談できる「労働条件相談ホットライン(フリーダイヤル)」、メールで情報を提供できる「労働基準関係情報メール窓口」も設置されています。

これらの電話やメールによって寄せられた情報は監督指導に活用されています。

 

電話相談窓口やメール窓口を利用して、労働基準監督署への申告(労働者が直接、労基署へ駆け込んで会社の違反状況を告げること)も行われています。

平成29年11月に行われた「過重労働解消キャンペーン」の重点監督の実施結果はこちら 

申告により、調査(監督指導)が行われる場合には、労働者から申告があった事項以外にも違反がないか調べられます。

4.調査項目 調査ではどんなことが調べられるのでしょうか?~

調査では、指定された書類と自主点検表等に基づいて事業主や人事担当者等からの聞き取りにより、実態がどのようになっているか確認されます。

主なチェックポイントは次の通りです。

(下記のチェックポイントを満たしていても、是正勧告等を受けることもありますので、ご注意ください)

≪帳簿等≫

□ 労働者(正社員・パートタイマー・アルバイト等)を雇入れるとき、その労働条件を書面で明示していますか?

□ 雇用契約書の必要記載事項は記載していますか?

□ 要件を備えた賃金台帳を作成し、(事業所ごとに)備え付けていますか?

□ 要件を備えた出勤簿(タイムカード)を作成し、(事業所ごとに)備え付けていますか?

□ 労働者名簿を作成し、(事業所ごとに)備え付けていますか?

□ 就業規則を作り、労働者に知らせていますか?(労働者数10人以上の事業所)

□ 就業規則の届出を(事業所ごとに)していますか?(労働者数10人以上の事業所)

≪労働条件等≫

□ 時間額に換算して最低賃金額以上を支払っていますか?

□ 最低賃金額を労働者に知らせていますか?

□ 所定労働時間は、原則、1週間40時間、1日8時間以内に定めていますか?

□ 休憩時間は、適正に与えていますか?

□ 休日は、1週間に1日又は4週間に4日以上与えていますか?

□ 休日の特定をしていますか?

≪労働時間・時間外労働≫

□ 法定、法定外休日の別を決めて割増賃金を支払っていますか?

□ 労働者に時間外労働又は休日労働を行わせるにあたって、労働基準監督署 に必要な届出(36協定)をしていますか?

□ 変形労働時間制を導入している場合、必要な手続き・届出はしていますか?

□ 時間外労働及び深夜(午後10時から翌日午前5時)労働させた場合は25%以上、休日労働させた場合は35%以上の割増賃金を支払っていますか?
※中小企業でない場合は、1ヵ月に60時間を超える時間外労働を行う場合は50%以上

□ 時間外労働時間を適正に管理していますか?

□ 管理監督者の基準は適正ですか?

≪安全衛生≫

□ 労働者に健康診断を実施していますか?

□ 健康診断個人票に産業医の意見を記入してもらっていますか?(労働者数50人以上の事業所)

□ 安全管理者や衛生管理者産業医の選任の届出をしていますか?(労働者数50人以上の事業所)

□ 安全委員会、衛生委員会を設置・開催していますか?(一定の条件に当てはまる事業所)

□ 医師の面接指導を行っていますか?
     (時間外労働月100時間超+労働者の申し出があった場合は義務)

≪その他≫

□ 労働者(パートタイマー・アルバイト等も含む)に年次有給休暇はありますか?

□ 仕事中の負傷や仕事を原因とする疾病が発生した場合、労災保険の補償手続(死傷病報告を提出を含む)をとっていますか?

□ 労働保険(労災保険・雇用保険)、社会保険に加入していますか?

□ 労働者を解雇しようとする場合は、少なくとも30日以上前に予告するか、平均賃金の30日分以上の解雇予告手当を支払っていますか?

□ 退職した労働者から契約内容等の証明を求められたときは書面で交付して いますか?

□ 会社側の都合により労働者を休業させるときは、平均賃金の6割以上の休業手当を支払っていますか?

5.是正勧告とは

〔是正勧告書見本〕

是正勧告とは、調査を行った結果、労働基準法などの違反があった場合に、違反を是正させる行政指導です。

是正勧告書という文書がその場で又は後日交付されます。

是正勧告書には、違反した法律及び条文、違反事項が書かれており、是正期日までに違反事項を解消するように求められています。

 

是正勧告は、あくまで行政指導ですので、会社がそれに従うかどうかは任意です。

しかし、是正勧告を無視したりきちんと対応しなければ、再度の調査や是正勧告を受けることになります。

悪質・重大な違反の場合には、逮捕・送検されることもあります。

 

長時間労働、過労死が社会問題となっていることから、労働基準監督署の監督指導も年々厳しくなってきています。

行政指導(是正勧告)の段階で、誠実に対応することをお勧めします。

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